No.19 【乳酸について①】 乳酸=疲労物質ではないでも書いた通り、乳酸は高強度の運動で糖質がエネルギーで使われる時に血中濃度があがり、強度が低い運動時に再利用される事が分かっています。
ではそのボーダーラインはどこなのか。
ボーダーラインを把握していれば、運動中に乳酸濃度が上がり動きが一時的に悪くなる事をふせげるのではないかと、推測できます。
体は糖と脂肪をエネルギー源として利用していますが、最初はエネルギーが多い脂肪をゆっくりエネルギーとして利用し、強度が高くなるに連れて利用しやすい糖質と脂肪がたくさんエネルギー源として利用されます。
そこからさらに高い運動強度になると速筋繊維で糖の利用が高まります。
この時に糖の利用が急激に高まるタイミングから、乳酸もたくさん出るというわけです。
専門用語ではこの境界線をLT(乳酸性作業閾値)と呼びます。(以下LT)
LTは主観的な強度で“ややキツイ“運動強度で、客観的な数値だど最大酸素摂取量の50〜70%だと言われます。
このLTのポイントは人によってやや異なります。
一般的には速筋繊維が多い人はLTが低くなり、遅筋繊維が多い人はLTが高くなると言われ、1つの要因としては、乳酸をエネルギーにするミトコンドリアが遅筋繊維(又は中間繊維)は豊富な事があげられます。
そのLTのポイントを超える運動強度になると“ややキツイ“から“キツイ“に変わり、乳酸濃度や、呼吸量などが高まり始めます。
ですのでマラソンなどの長距離運動では、乳酸が動作の妨げになるので、LTポイントあたりのところで走りペースを保つわけです。
“ランナーズハイ“と言われるポイントがそれです。
つまり糖と脂肪の燃焼効率が1番いい状態にあるので、LTを超えなければ過剰に乳酸も出ずにいい状態で身体は動き続けてくれるというわけです。
という事はこのLTが高い人が俗に言う“スタミナ“がある人とも言えると思います。
サッカー、マラソンなどのスポーツではこのLTポイントを上げる事が非常に重要だと思いますので、次回はLTを高める方法の解説していきたいと思います。
東京都中央区
TTBパーソナルトレーニング
S&Cコーチ/パーソナルトレーナー
木村聡